表三郎

Last-modified: Thu, 05 Mar 2020 20:17:24 JST (1505d)
Top > 表三郎

表三郎(おもてさぶろう、1940年10月15日-)は、元駿台予備学校英語科講師。

経歴

  • 1940年10月15日、広島県生まれ。
  • 1961年二浪で甲南大学経済学部入学。
  • 1970年、大阪市立大学大学院経済学研究科博士課程修了。
    • 社会思想史を専攻。
  • 元 桃山学院大学非常勤講師。
  • 元 関西文理学院英語科講師。
  • 駿台予備学校英語科講師(1974 - 2018年度)。
    • 関西英語科主任(1976 - 1991年度)。

授業

  • 英文の解説からしばしば雑談に移行し、授業の最大75%は雑談である。授業では1行しか進まないことも。
    • 英語の授業半分、表三郎の講演会半分である。
  • 雑談の内容は、政治や経済、哲学、言語、歴史などから自分や教え子の経験談、知人の話、駿台の昔話など多岐に渡り興味深いが、ただの自慢や批判も含まれる。
  • 英文の表面的な読解で終わらず、そこから関連する話に繋げる知識量、教養の深さは流石である。
  • この深い教養から生まれる他の教科に跨った雑談は一種の「分野横断的講義」として非常に有用である。
    • 特にリベラルアーツ重視型の入試を受ける予定のある人はその対策として師の講義を受けるのもあり。
  • ただ元左翼故か発言内容は相当左に寄っている。しかし、根拠が非常に合理的なので納得がいきやすい。
    • 例えば、英文読解の授業中に、日本の不況の問題について、海外から労働力と知識を得れば景気は回復する、という理由で移民政策を奨励する旨の主張をした。
  • 雑談に熱が入ると、一人称が「僕」から「俺」に変わる。
  • 雑談中の批判については、悪い言葉はあまり使わないので小泉徹先生、古大工晴彦先生、竹岡広信先生ほど印象は悪くなく、あまり心配する必要はない。
    • 単に貶すというよりは理知的に批判している感じを受ける(単に貶すだけの時もあるが)。
    • 色々批判はするが、生徒に対しては笑顔も交えながら授業をするので怖い先生ではない。
  • 雑談が長い割に授業そのものは速く、通期ではとっととテキストを最後まで済ませて、後期後半からは自作のプリントを解かせることも。
  • 重要事項は黒板にまとめるが、読解の説明は殆ど口頭で行うため、テキストのコピーを取ってそこにメモするのが良い。
  • 板書は大きめで読みやすいが、筆記体を用いるため、筆記体を読める程度に学習しておくべきである。
  • 駿台公式訳例に文句を付け、自身の訳を口述筆記させるのでその余白も忘れずに。
  • 講習では夏期・冬期『テーマ別英文読解』と直前講習ファイナル英長文読解』を独占。『英文精読』も担当。
    • 非常に熱心なサブラーが集結する。中には大半の受験生よりも一回り年上の人も混ざっている。
    • 2012年度までは大阪校特設単科(『スーパー英文読解法』など)を持っていた。
    • なお、2018年度をもって、夏期『テーマ別英文読解』は廃止された。
  • 信者はサブラーと呼ばれ、夏期も冬期も『テーマ別英文読解』を取ることが義務付けられている。中には師著の『スーパー英文読解法』をする信者もいるとかいないとか。
  • 2015年夏期の『テーマ別英文読解』で新たな参考書を執筆することを宣言した。現在執筆中らしい。
  • 英文和訳の添削を講師室にてしており、講習や授業前後には、サブラーによる添削待ちの行列(通称「表参道」)ができる。
    • ボロカスに言われるとの噂だが案外そうでもなく、笑いの中に進行する。
  • 英語に関する質問や、一般教養の質問をすると自身の深い教養に基づいて親切に答えてくださる。
    • 絶対に「授業で言ったやろ?」とは言わないそう。(本人談)
  • 伊藤和夫先生の構文主義を批判し、ポスト構造主義構文主義を提唱。
  • ポスト構文主義では、英文を構文だけでなく内容や表現の三層で分析を行い、さらにミクロ的な視点とマクロ的な視点の両方から文章を分析する。
    • そのため括弧を付けて分析する教え方を批判する。
  • また構文分析において特殊構文の発見よりも動詞の発見を最優先する。
  • さらに英文読解においてパラグラフリーディングを重視する。
  • 要するにポスト構文主義は英文構文の解析+現代文中野芳樹先生の客観的速読法+現代文霜栄先生の論理的読解法+パラグラフリーディングをいっぺんにやるというような主義である。
    • なので師の読解法をマスターするには相当ハイレベルな技術が必要である。
  • この主義を提唱したのも背景知識や教養が必要なハイレベルな英文にも対応できるようにするためであるそうだ。
  • 文法や解釈の重要事項を説明する際は、他の多くの講師や参考書とは異なった視点から解説をするのでかなり興味深い。
  • また和訳に関しては「前から訳すのが原則で、日本語が不自然になったら語順を変えて訳す」というような独特のやり方をする。
    • 英語は「前提→主張」の構造、つまりエンドフォーカスの構造を取るため、この流れに沿った読み方をするべきと考えているためである。
    • 英文を速読するためのテクニックにもなる。
    • 前から訳し下ろしたら一見下手な訳になりそうだが、師の訳はかなり自然で駿台公式訳例より遥かに上手い。
  • また師曰く、英詩が読めるようになったら一人前だとか。
  • 辞書は『Eゲイト英和辞典』を勧める。事実、『Eゲイト英和辞典』は中々良く書けている。
    • またプログレッシブ英和辞典の第三版までも優れているそう。
    • ジーニアス英和辞典は度々批判する。
  • また、市販の単語帳は窓から投げ捨てろ/燃やせと言い(所詮他人のフォーマットだから身に付かないと考えているため)、my単語帳の作成を強く勧める。
    • 過去には単語帳作成の依頼を断ったこともある。
  • 英語の学習には文章全体を暗記することが有効だとおっしゃる。
    • 英文読解S』と『英語構文S』(短い文章は構文主義的なので覚えなくて良いらしい)は良質なテキストなので、暗記するように勧められる。
      • しかし、2018年度のMA初回の授業で「英文読解の後ろに付いてる和訳あるだろ?見たことあるかい。あれは酷いね!初っ端から間違っている。あんな和訳なら載せない方がマシだよ。誰が書いてるか僕は知ってるから文句言っておくよ。」と熱烈にご指摘されたので、どこまでオススメなのかは不明。
  • 受け持っていない授業のテキストまで目を通されていることも伺え、元関西駿台英語科主任だったのも納得である。

担当授業

通期

春期講習

夏期講習

冬期講習

直前講習

直前Ⅰ期

直前Ⅱ期

人物

  • 受験英語界の長老。ドン。
  • 右も左も分からない生徒達に英語で左を教えてくださる。
    • 実際師の教え子(サブラー)で左翼になった人が多いとか(自称)。
  • 大阪市大入学後当初は革共同に所属した。
  • その後革共同が中核派・革マル派に分裂した時にどちらにも所属せず(理由は後述)、学生運動活動家兼大阪市立大学全共闘議長に。
  • 大学院修了後に桃山学院大学非常勤講師に就職し、論文を多数出版するもクビになり辞め、(自称)経済学者、翻訳家(一応本も数冊出版)、ナルシマルキシスト、左翼思想家に。
  • その後、関西文理学院英語科講師を経て、1974年度から駿台に英語科講師として勤める。
    • 1976年度から1991年度まで、長きに渡って関西英語科主任を務めた。
  • 2018年度をもって駿台予備学校英語科を勇退。
  • まさに生ける伝説である。
  • 生徒と話すのが大好き。講師室で、質問に来た生徒とのやり取りの中でカッカッカと笑う姿をよく見かける。
    • その表情は、若者との真剣な対話を楽しむ優しい老人そのものである。
  • 故手塚治虫氏のファンで、大学時代作家を目指すも日本の純文学(志賀直哉などの私小説)のチャチさに呆れて断念。
    • 次にドストエフスキーの「悪霊」に出る悪い革命家に憧れて日本共産党入りするも追放される。
    • その後革共同に入るも、中核派の頭の悪さに失望し、北朝鮮が中核派を見捨てる書状を送って来た頃に離れた過去を持つ。
  • 様々なジャンルの本を相当読み込んでおり、よく雑談で師オススメの本を紹介する。
  • 信者が多い一方でアンチも多い。そのため生徒の出席率はあまり良くないことも。
    • 師の雑談に多く含まれる自慢話や、師の批判に対する反感、そしてギャグのつまらなさが理由でアンチが湧くのではないかと思われる。
  • 雑談の反応が薄いと笑いを強制する。
  • だが時折ポロッと口にする英語の話は中々興味深いものも多い。
  • 因みに、師の奥さん(元駿台日本史科講師)は、師のギャグに対し「貴方らしいわ。素敵。」と言うらしい。
  • 折に触れて故伊藤和夫先生のことをもう亡くなっているのにも関わらずバカにするが、自分の考えを持っていた点では評価しているようで、仲も良かったらしい。
    • 戦うにもからかうにも最高の相手だったそうだ。
    • そのせいか関西の校舎では伊藤和夫先生は生徒から神様というよりネタキャラ扱いされてしまい、名前が出ただけで笑う生徒が出るという一種の風評被害が生じてしまっている。
  • 河合塾の故・牧野剛(河合塾の元現代文科講師。名古屋大学出身であり、学生時代は名古屋大学の左翼として活動していた。)氏とは学生運動時代からの仲で、よく会うらしいが会う度に河合塾を貶す。
    • その他元全学連をはじめとした(元)左翼の友人が多い。
    • その中には故・青木昌彦(東大卒の日本の有名な経済学者。スタンフォード大学、京都大学名誉教授。)氏や故・唐牛健太郎(60年安保闘争時の全学連委員長。)氏、故・塩見孝也(よど号ハイジャック事件を引き起こした左翼テロ集団である赤軍派の元議長。)氏などの大物もいる。
    • 今でも時々左翼仲間と飲みに行くこともあるのだとか。
  • 最近ではデイビッド・セイン氏の英語教育の姿勢を評価していた。
  • 表三郎著作集をこれから年1巻ペースで出していき、20巻程度出す予定らしい。
    • 内容は学生運動時代の論文や、英語の参考書など様々なジャンルの文を混ぜ込んだものを予定しているようだ。
  • 元職業柄か、哲学に造詣が深いので、フーコーが構造主義者だなんて知ったかぶりをしたら最後、「フーコー本人は否定している」と怒り出す叱られるに違いない。
  • オペラにも造詣が深いが、観客がババァばっかりなのと内容がショボイと言う理由から嫌いで、ワーグナー以外認めないとのこと。
    • 実際ワーグナーのオペラの内容は他作曲家のオペラに比べて内容が非常に哲学的で、哲学者ニーチェなど、当時のヨーロッパ文化人に影響を与えている。
  • クラシック音楽で好きな作曲家はJ.S.バッハ。近年はマーラーも推している。特にマーラーの交響曲第2番「復活」が好きなんだとか。ベートーヴェンの交響曲では第3番『英雄』が1番好き。
    • 好きな指揮者はショルティだとか(このショルティも信者も多いがアンチも多い指揮者でその点師に似ていたりする)。
    • クラシックだけでなくロックやジャズも聴く。ツェッペリンやブレッカーブラザーズをよく聴く。
    • またイヤホンよりきちんとしたオーディオシステムで聴くことを好む。
  • 度々USJやディズニーランドなどの遊園地を子供騙しだと言って貶す。
  • 娘息子が3人いる。下の娘さんを「チビ」と言うことがある。
  • 大学に入ってからも勉強を続ける大切さを強く語る。
  • 京大卒業後に駿台の講師になりに来た某教え子を「予備校の教師なんて掃き溜めの集まりだ、なるもんじゃない。」とアドバイスしたことがあるらしい。
  • 風邪で休まれることがあるが、実際は元気らしい。こうでもしないと駿台を休めないそうだ。予備校のコツはサボることだとおっしゃる。そのせいかは不明だが、京都校の担当を2017年度前期途中で全て降板させられた(前期6週目からは吉村聡宏先生(MA)、清水一成先生(MB)などに担当を譲った。)
    • 2018年度も前期第6週から降りられた。2019年度も同じかもしれない。 どうやら奥さんの体調が芳しくなく、田舎で静養されるようである。
  • 最近は、体調に気を使い、筋トレをしたり、週一で焼肉に行かれたりするそうだ。

表先生語録

  • 「おい、笑えよ~。」(笑いを強制されるとき)
  • 「今笑うとこやぞ。」(同上)
  • 「『表現』は『表が現れる』と書く。笑ってくれよ!」
  • 「カッコ付けるな、カッコ悪い。」
  • 「学生運動、事件の裏に表あり。ここ、笑う所だぞ。」
  • 「『表三郎著作集』を出すまでは死ねない。」
  • 「著作集の中に左翼の論文と英語の参考書が一緒に入ってる人なんて俺以外にいねーよな?」
  • 「旅行は子供の時に黒部ダムとかスケールのデカイ所に1、2回行ってれば良い。」

著作

学習参考書

  • 『スーパー英文読解法』--論創社、上巻1991年2月1日発売、下巻1994年10月1日発売

一般書

ーー

Amazon