電子論

Last-modified: Thu, 17 Oct 2019 22:58:35 JST (338d)
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  • 電子論とは、電子に着目して化学の世界をある程度統一的に説明する考え方である。駿台では主に有機化学の単元で多用される。
    • あらゆる物質は原子からなり、それらの原子は「電子」を媒介にして結合している。そのため「電子」に着目することにより、結合の強度や化学反応性、延いては物質の構造や特性などを理解することができる。
    • 化学反応は、ツブとツブの結合の組み換えだと捉えることができる。結合の組み換えは突き詰めれば電子の振舞いなので、「電子」に着目することで、反応のメカニズムを視覚的に理解することができる。未知の反応を予測する際にも用いられる。
    • 理論化学分野において、エネルギー準位や混成軌道を解説する際に用いられているのは量子力学である。量子力学によって電子論の基礎づけを行っている。結合の状態を見たり、無機化学や有機化学などで反応のメカニズムを見たりする際に用いられるもの(電子対や曲げ矢印)が電子論である。
  • 電子論は高校のカリキュラムには含まれていない。しかし、大学では量子力学による基礎づけを行った後にゴリゴリ応用していく。
    • 量子論による基礎づけは大学1年生で紹介される。まず、1次元の井戸型ポテンシャルにシュレーディンガー方程式を適用し、基本的な事柄を学ぶ。次に、水素原子モデルに適用し、計算過程で3つの量子数(n, l, m)が出現することを確認する。
    • いずれの計算過程も大学1年生には無理なので、要点だけ紹介される。詳細は大学院で「物理化学」の専攻者のみが学ぶ。すなわち、大学生も電子論に対して厳密な基礎づけを与えることは目標にしない。
    • 大学生段階では、理論的に成立することは確認するが、むしろ「大雑把な概念を捉えて応用できるようにしていくこと」を目標にする。大学ほどではないが、駿台の授業でも十分な基礎づけを行うため、ちゃんと学べていれば応用上の問題は生じない
  • 駿台に入る時点で、電子論微積物理など高校範囲を少し超える解説がなされる点は、ある程度覚悟しておく必要がある。
    • 現役生であれば、通期でも講習でも担当講師を慎重に選ぶことによって、電子論微積物理を回避することができる。このウィキの情報をよく参考にすると良い。特に関西は、電子論を使う講師が多いため、気になる人は注意しておくこと。
    • 浪人生の場合、駿台は科目ごとに自分のレベルに合った授業を受けられるシステムをとっていない。志望校のコースや模試の総合点でクラス配属がなされる。上位のクラスに入る場合、担当講師の運にもよるが、苦手な科目であっても難しい授業を受けなければならないことがある。
    • 駿台のメインの顧客層は「ハイレベルな学生」である。しかも、高校内容を既に学び終えている浪人生が多数を占める。彼らの知的好奇心を刺激し、学習の原動力を作るために、そして受験で圧倒的な実力をつけさせるために、上位のクラス電子論微積物理といったハイレベルな教授法が選択されるのは、ある程度合理的なことのように思える。
  • もし、高校範囲を超える授業が耐えられない、そのような授業を行うべきでないと感じるなら、「そもそも駿台が向いていない」かもしれない。
    • 駿台は他の塾・予備校に比べて、アカデミズムを重んじる風潮がある。もちろん節度はあるが、学生の興味関心を重んじたり、少し大学の世界を見せたりする姿勢をとる講師が多くを占める。(だからこそハイレベルな学生が集まるともいえるだろう)。
    • 大抵の塾では力を注ぐべき科目とそうでない科目の戦略などを紹介するのかもしれない。しかし、駿台には全ての科目で本気の授業を行い、生徒各自に興味を持った科目をとことん突き詰めさせる風潮がある。
    • 「受験だけに目標を絞り、受験に関係ないことは一切したくない」というのも戦略の一つではある。しかし、そのような学問を楽しむ姿勢のない、アカデミズムに対して消極的な人間は、駿台は合わないと思われる。駿台が重んじる方針・風潮と真逆だからだ。
  • 駿台の電子論の講義も実績をあげている。次のような特徴がある。
    • 電子の挙動に注目すれば、その他ごく少数の知識(主にクーロン力と立体障害)と合わせて、結合の性質や反応のメカニズムを統一的に理解することができる。
    • 一見するとバラバラなように思えていた知識が非常にコンパクトな形に整理されていき、学習内容全体が見通し良く把握できるようになる。
    • 触媒や反応条件など、細かい知識までもが有機的に結び付いて理論が自然に納得できる。次に起こる反応が視覚的に見えるようになり、応用が利きやすい。
  • 暗記中心の方法で学習してきた学生は、大学に入ってから物理化学や有機化学で躓きやすい。
    • そのため、高校生のうちから少しでも電子論的な見方・考え方に触れておくことが推奨される。視覚的に反応の流れが見えるようになるので、幾分わかりやすい概念ではある。
    • しかし、修得にハードルを感じる者もいるようである。そういう人は無理せず、電子論を使わない勉強法を取ると良い。ただし浪人生の場合、映像の岡本先生の授業くらいしか逃げ道がないのが、駿台の問題点ではあるが。
    • 近年は、スタサプなどのオンラインの授業のサービスも充実してきている。どうしても無理な人は、そちらの利用も検討すると良い。
  • 関西駿台化学科の有名講師の多くは、特に有機分野は電子論を用いて解説する方針である。
    • 各項目を深く理解しながら学習を進めていくため、予め全体像が掴めていないと付いて行くのがやや大変である。
    • しかし、理解が負担に変わらない学生であれば実力がしっかりつき、統一的な理解により深い満足感が得られる授業になっている。

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